当社は一般建築物石綿含有建材調査者(国家資格)を保有しております。
石綿(アスベスト)は、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で「せきめん」「いしわた」と呼ばれます。1970~1990年代の間に「耐熱性」「防音性」「絶縁性」など様々な特質を有していることから『奇跡の鉱物』と賞賛され、特に船舶関係や建材製品に大量に輸入され使用されました。一方、アスベストは細かな繊維でできているため、空気中に飛散すると呼吸とともに人間の肺に入り込み、分解されず肺に残ってしまう性質を持ちます。 そして10~40年という長い期間を経て、肺がん・じん肺・中皮腫という重大な病気を発症させます。そのため、2006年(平成18年)9月から労働安全衛生法施行令により製造・輸入・譲渡・提供・使用が全面的に禁止されました。
石綿の用途は約3000種といわれるほど多く、大きくは石綿工業製品と建材製品に分けられ、その約8割は建材製品です。
アスベストは、飛散性の程度に応じてレベル1~3の作業レベルが定められています。
建築物の改修及び修繕・リフォームを行う場合には、石綿障害予防規則等の法令に基づき、石綿(アスベスト)含有の有無の事前調査、労働者に対する石綿(アスベスト)ばく露防止措置、作業の記録・保存などを行う必要があります。
事前調査は原則全ての工事が対象です。
また、一定規模以上の工事はあらかじめ、施工業者(元請事業者)が労働基準監督署と自治体(自治体への報告は大気汚染防止法に基づくもの)に対して、事前調査結果の報告を行う必要があります。
石綿の有無に関わらず、以下のいずれかに該当する場合には報告が必要です。(住宅リフォームや解体工事なども含まれます)
アスベストに起因する新たな健康被害を防止するためには、建築物の所有者・管理者が、建築物における吹付けアスベスト等の使用状況や劣化状況を調査・把握し、必要な対策を講じることが重要です。
■石綿障害予防規則
違反した場合、6ヵ月以下の懲役、または50万円以下の罰金
■大気汚染防止法
①除去等の方法違反の場合、3か月以下の懲役、または30万円以下の罰金
②事前調査の未報告・虚偽報告の場合、30万円以下の罰金
※対象は、元請業者のみならず、下請け業者にも及ぶことになります。
解体・改修工事を行う建築物等に石綿(アスベスト)が使われていることが明らかとなった場合には、石綿(アスベスト)除去等の工事に必要な費用、工期、作業の方法などの発注条件について、施工業者が法令を遵守して工事ができるよう配慮する必要があります。
建築物等の解体・改修を行う事業者には、法令により、石綿(アスベスト)の含有の有無の事前調査を行う義務があります。このため解体・改修工事を事業者に発注する場合には、石綿(アスベスト)の事前調査費用が計上されていることを確認してください。
■事前調査
2022年4月以降は、図面調査だけでアスベスト無しを判断するのは禁じられているため、現場での目視調査が必須です。
■分析調査
事前調査でアスベストの含有の判断ができなかった場合に、サンプルを採取してこの成分分析をする必要があります。
※事前調査の費用は、対象となる建物の規模や現地の場所により変動し、調査結果の書類作成費などの諸経費が発生します。
■除去工事
国土交通省がアスベスト除去費用の目安を公表しており、そのデータを元に社団法人建設業協会が調査分析したものが以下の通りです。作業の難易度が高くなるほど、解体費用も高くなります。
※引用:国土交通省「Q40 アスベスト含有吹付け材の除去費用は、目安として、いくら位かかりますか。」